第3回 市民後見人養成ステップアップ講座
知的障がい者のライフプランと財産管理
第3回市民後見人養成ステップアップ講座を、平成26年12月13日(土)に開催しました。会場は開催「協力」をいただいた生活協同組合パルシステム千葉・船橋本部の会議室。
今回は、大阪府障害者福祉事業団職員で、ファイナンシャル・プランナーの資格をもつ鹿野佐代子さんから、「知的障がい者のライフプランと財産管理」について、4時間にわたってご教授いただきました。(写真)
鹿野さんは、知的障がい施設での入所者の結婚相談を機会に、安心して生活が送れるにはどのような方法があるのかを研究し、2009年日本FP学会奨励賞、日本FP協会小論文コンクール最優秀論文賞を受賞し、知的障がい者のファイナンシャル・プランニングという新しい分野を切り開いた方です。
第一部は「市民が知っておきたい知的障がいの基礎」
知的障がい者の特徴や障がい程度による療育手帳の区分(東京都と大阪府の区分の違いも)。最近、話題の多い発達障がいとはなにか?すべての人の生活機能として障がい者を捉えるWHO(世界保健機構)の分類基準、障がい者こそFP的思考によるキャッシュフロー表(将来の収入・支出の変化とその対応策)の必要性、など多岐にわたるお話をいただきました。
第二部は「障がいのある人のライフプランと金銭支援の事例」
グループホームに入居している子に仕送りしていた親が急に亡くなったが、生命保険に加入していたことによる効果。家を担保に借り入れをして、親が亡くなると銀行が不動産を売却してくれるリバースモーゲージの利用。親一人、障がいのある子一人の場合で、親亡き後の不動産の対策。重度の障がいの子のいるケースで、子が障害年金を多額に貯めており、それを贈与税の非課税枠内で保険料として生命保険に加入する例。知的障がいのある子の金銭教育で、経験によって学び、お金の使い方を自分で決定できるようになること。などなど、多くのことを学びました。そして今後、ファイナンシャル・プランナーと福祉との連携が必要で、それによって、将来への安心が保たれることを説かれました。(若色記)
<参加者の声>
*障がい者に必要な支援や対策など具体的な事例でお話いただけ、親としても今後に対する考え方、子供への接し方を改めて考えるいいきっかけになったと思います。(男性・40代)
*具体的な事例が多く大変参考になりました。時間も長く感じないほど興味深かったです。(女性・50代)
*ちょうど小学6年生の息子(知的障がいがある)におこづかいを渡すようになり、お金の価値や使いかたをどうやって教えていこうかと考えていたところだったので、とても参考になりました(ダイソーのお薬袋は、うちでも使っています!!)。相続対策としての生命保険など、なるほど~というお話がきけて良かったです。ありがとうございました。(女性・40代)
以上